入札の契約方式は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約の3つに分類されています。
その中で、例外的な場合において実施されるのが随意契約です。
今回はその随意契約の中でも比較的案件数の多い「少額随意契約」、その発展型とも言える「オープンカウンター方式」について解説していきたいと思います。
随意契約とは
随意契約とは、契約主体が契約の相手方を選定するのに競争の方法によることなく、任意に特定の者を選んで締結する契約方式をいう。会計法では第29条の3第4項に規定されている。
長所:
○資力、信用及び能力の確実な者を選ぶことができる
○競争に関する手数が省けるので手続が容易
○経費面の負担も少ない
短所:
○公正な契約の締結が確保されないおそれがある
○契約主体に不利な価格で契約を締結することになる可能性がある
引用:環境省
国等の機関における契約方式の概要(URL)
このように随意契約とは、官公庁側が契約者を決める入札方式です。
原則は競争入札とされている中、どのような場合が随意契約として認められるのでしょうか。
第二十九条の三 契約担当官及び支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」という。)は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第三項及び第四項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
4 契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。
5 契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。
引用:e-GOV法令検索 会計法(URL)
上記によると、
(随意契約になる)
・契約の性質又は目的が競争を許さない場合
・緊急の必要により競争に付することができない場合
・競争に付することが不利と認められる場合
(随意契約とすることができる)
・契約に係る予定価格が少額である場合
・その他政令で定める場合
このような場合に随意契約になる(随意契約にできる)と法令で定められています。
随意契約は「特命随意契約」「少額随意契約」「不落随意契約」の3種類に分けられます。
今回は、そのうちの少額随意契約について詳しく説明いたします。
案件数の多い少額な契約までが競争入札になってしまうと事務量が増加し、円滑な行政の運営に支障が出てしまいます。そこで契約の手続きを簡素化するために生まれた「少額随意契約」は、一定金額以内の案件について随意契約として扱うことができるというものです。
(随意契約)
第百六十七条の二 地方自治法第二百三十四条第二項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあつては、予定賃貸借料の年額又は総額)が別表第五上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき。
<別表第五>
引用:e-GOV法令検索 地方自治法施行令(URL)
随意契約では、2社以上の事業者から見積もりを提出してもらう「見積もり合せ」での契約が推奨されていますが、先に述べたように、案件数の多い少額随意契約まで複数の応札になると行政の運営に支障が出てしまいます。
そこで、登場するのがオープンカウンター方式です。
国では広く見積もりを公募することで公平性が保てるという点から、この方式を推進しています。
オープンカウンター方式とは
オープンカウンター方式は“公募型見積合わせ”とも呼ばれ、発注者が見積もりの相手を指名するのではなく、公募形式により広く見積もりの提出を募り、契約相手を決定するという方式です。
この方式は一般競争入札に近い形ですが、手続きの際に行う「入札参加資格の審査」がスキップされるため、手間がかからず参加しやすくなっています。
引用:国土交通省
少額随契における見積徴取について
オープンカウンター方式とは(URL)
オープンカウンター方式の対象となるのは主に少額な案件で、金額の基準は少額随意契約と同様(別表第五の図)になります。よってこの方式では低予算の案件が中心で、物品や印刷物の発注などが多いようです。
<オープンカウンター方式のメリット・デメリット>
メリット:
公示日から応札日までが短いので、スムーズに契約に進める
手間をかけず応募できるので実績作りにもつながる
デメリット:
条件が書かれている場合が多い
期間が短いことで案件を見逃しやすい
いかがでしたでしょうか。
今回は「少額随意契約」と「オープンカウンター方式」にスポットを当ててお話いたしました。このほかにも入札には多くの方式がありますので、目的に合った入札方式を見つけてくださいね。
オープンカウンター方式のデメリットは「期間が短いことで案件を見逃しやすい」こと。それ以外にも良い案件を見つけられずお困りの方には入札王がオススメです。
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