「カーボンニュートラル」のワードを含む入札公告の件数は、過去5年間で合計214件でした。
2018年から2020年までは、一桁の件数でしたが、2021年から大幅な件数増加となりました。2020年10月26日の所信表明演説において菅内閣総理大臣が、カーボンニュートラルを目指すことを宣言したことから、2021年以降件数が増加したことが窺えます。
図2, 2020年から2022年までの「カーボンニュートラル」の月別入札件数推移
こちらは2020年1月から2022年12月までの月別入札件数です。
入札公告件数全体の増加が大きく最多件数となる6月に、「カーボンニュートラル」のワードを含んだ入札公告も増加していることが分かります。2021年の6月に、二桁件数の10件に増加。また翌年の2022年6月には過去最多となる26件が公告されています。
2022年は特に上半期に件数の増加が集中していました。
図3 過去5年間の「カーボンニュートラル」の入札公告における業種カテゴリの内訳
※1つの入札公告につき複数の業種カテゴリが設定されている案件があるため合計件数が異なります。
続いては、過去5年の全214件の入札公告が、業種カテゴリ別に何件ずつ分類されているかの内訳です。このグラフ全体の数値の合計は214件を大幅に越えますが、これは一つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
「カーボンニュートラル」を含む入札公告は、「調査・研究業務」が最多の168件でした。具体的な公告の内容としてはカーボンニュートラルの推進・計画実現に向けた調査・検討業務のものが多数でした。「調査・研究業務」に次いで件数が多いのは「その他の業務委託」で74件でした。
続いて「設計・測量」で42件、「デザイン・印刷・広告」が32件となりました。「その他の業務委託」は、他の業種カテゴリに付随する場合がほとんどで、「設計・測量」ではカーボンニュートラルポートの形成に関する公告が、また「デザイン・印刷・広告」は広報、情報発信に向けた取り組みの公告が多くありました。
2,「カーボンニュートラル」を含む落札金額・件数の推移
図4 過去5年間の「カーボンニュートラル」の落札件数推移
続いては、2018年から2022年までの過去5年間の落札件数の推移です。過去5年間の合計落札件数は230件でした。推移としては、入札公告同様2021年から大幅な増加となりました。
図5 過去5年間の「カーボンニュートラル」の落札金額推移
過去5年間の落札金額も2020年まで低調でしたが、2021年には前年からおよそ16億5,080万円増加しました。さらに落札件数の増加に比例し、2022年にはおよそ131億2,325万円で、前年からおよそ113億1,937万円増加しました。1件あたりの平均落札金額もおよそ8,359万円と、過去5年で最高金額となりました。
図6 2020年から2022年までの「カーボンニュートラル」月別落札件数推移
2020年から2022年までの落札件数推移を月別で見ていくと、落札件数は2021年の8月に初めて10件を突破しました。その後、10月と12月に13件と2021年で最多の件数となると、翌年の4月に26件と大幅に落札件数増加となりました。7月には最多件数の30件となり、4月から8月までで「カーボンニュートラル」を含んだ落札案件数が増加しました。
図7 2020年から2022年までの「カーボンニュートラル」月別落札金額推移
「カーボンニュートラル」を含む案件の月別落札金額の推移です。
落札件数と同様に、2022年の4月から金額増加が見られました。4月はおよそ32億3,434万円で、前月からおよそ27億6,246万円増加。落札件数が最多となった7月に、落札金額も最高となるおよそ69億6,774万円で、前月から61億6,575万円と大幅な金額増加となりました。
1件あたりの平均落札金額もこの月が最高となるおよそ2億3,226万となりました。9月以降の件数減少と同様に、落札金額も減少しました。
3,「脱炭素」を含む落札金額・件数の推移
「カーボンニュートラル」というワードと結びつきの強い「脱炭素」というワードが含まれる入札公告件数についても調査を行いました。
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図8 過去5年間の「脱炭素」の入札件数推移
まずは過去5年間の「脱炭素」を含む入札公告件数の推移です。
「カーボンニュートラル」を含む入札公告件数の推移とは異なり、こちらは過去5年間連続して件数が増加しております。また「カーボンニュートラル」の件数同様、2021年には178件と前年から116件増加、翌年の2022年はさらに195件増加し、373件となりました。
図9 2020年から2022年までの「脱炭素」の月別入札件数推移
2020年以降の入札公告件数を月別で見てみると、こちらも「カーボンニュートラル」の件数推移同様に、2021年6月に一度40件と大幅に増加しました。その後は12月まで安定した入札公告件数となり、2022年に入ると、公告件数に増加の傾向が見られました。2022年の2月には30件に増加すると、4月は2021年6月よりも多い45件となり、7月まで毎月40件以上公告され、8月以降も平年よりも多いことが分かりました。
図10 過去5年間の「脱炭素」の落札件数推移
続いては「脱炭素」のワードを含む落札件数の過去5年間の推移です。こちらも、入札件数同様に毎年増加しております。
図11 過去5年間の「脱炭素」落札金額推移
落札金額についても過去5年で増額の傾向が見られました。特に2022年はおよそ162億1,889万円と、前年からおよそ69億9,752万円増額。増額幅も過去5年で最も大きい結果となりました。
件数は「カーボンニュートラル」を含む案件よりも多いものの、落札金額は小さく、「カーボンニュートラル」ほどではないですが、「脱炭素」にも大きな金額増加の傾向がありました。
図12 2020年から2022年までの「脱炭素」月別落札件数推移
2020年から2022年までの「脱炭素」を含む月別の落札件数は落札件数の推移は、各年で4月に大きく増加しています。その後、5月に一度大きく減少しているのは、落札全体の傾向と同様です。そして、7月からまた増加する傾向にあります。
2022年4月には一か月で69件落札されており、その後6月から8月までこれまでの月と比較して概ね多く落札されていることが分かりました。
図13 2020年から2022年までの「脱炭素」月別落札金額推移
2020年から2022年までの「脱炭素」の月別落札金額を見ていくと、こちらも各年4月に大幅な増額となりました。落札金額全体が最も増額するのは3月となる傾向がありますが、「脱炭素」では4月に多く落札され、最も落札金額が高くなるという傾向が見られました。
中でも2022年の4月はおよそ78億5,199万円となり、前月からおよそ67億9,440万の増額となりました。
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