「入札王」の保持する入札・落札情報から、今後のトレンドとなるキーワードの動向を調査・分析しています。
今回は2023年4月に設立された「こども家庭庁」の入落札案件と落札金額の推移、「少子化」のワードを含む入落札案件の過去5年間の推移と、落札金額と件数を推移から分析しました。
調査トピックス
- 「こども家庭庁」発足から2023年12月までの入札公告は108件。
- 「こども家庭庁」の落札件数は4月に62件、合計落札金額およそ69億7,135万円の落札となった。
- 「少子化」のワードを含む入札公告は昨年大きく減少したが、2023年に再度増加した。
・「こども家庭庁」の入落札情報の月別推移、落札金額の動向
図1 2023年1月から12月までの「こども家庭庁」のワードを含む月別入札公告件数推移
図2 2023年3月から10月までの「こども家庭庁」のワードを含む月別落札件数推移
「こども家庭庁」は2023年4月に発足しました。図1は2023年の3月から12月までの「こども家庭庁」の月別入札公告件数の推移です。12月までの合計件数は108件となりました。最多件数は6月の18件となりました。
公告された内容としては「こどもの虐待防止推進及びヤングケアラー普及啓発業務」「児童館等児童福祉文化財を活用した遊びのプログラムの開発 および普及に関する調査研究」「子ども・子育て支援調査研究事業にかかる公募について「子ども・子育て支援制度における継続的な見える化に関する 調査研究事業」などがありました。
業種カテゴリの内訳として最も多かったのは「調査・研究業務」と「その他の業務委託」で、上記の入札公告の他、「こども誰でも通園制度(仮称)調査研究支援業務」や「こども家庭庁全体管理組織(PMO)企画立案支援業務」などが公告されていました。
図3 2023年月から10月までの「こども家庭庁」のワードを含む月別落札金額推移
図2は2023年の3月から10月までの「こども家庭庁」の月別入札公告件数の推移です。10月までの合計件数は108件となりました。最多件数は62件で、全体の6割近くの件数が公告されています。
図3は月別落札金額の推移です。全体の合計金額はおよそ91億7,243万円で、4月のおよそ69億7,135万円が最高金額となりました。
・「少子化」のワードを含む入落札情報の過去5年・2023年月別推移、落札金額の動向
図4 2019年から2023年までの「少子化」のワードを含む入札公告件数推移
「少子化」のワードを含む入札公告は2018年から2022年までに237件でした。最多となったのは2020年の68件で、2022年まで減少しました。2023年にまた再び増加し57件となりました。
図5 2020年1月から2022年12月までの「少子化」のワードを含む入札公告の月別推移
続いては2020年から2022年までの「少子化」を含む入札公告件数を同月で比較したグラフです。
3年間で最多の月となったのは2021年1月で件数は14件でした。2020年は9月、2021年は11月に「少子化」のワードを含む案件は0件となっています。一方、全体の件数が30件と少ない2022年は月別の件数こそ少ないものの、0件になった月はなく、各年の入札公告の推移はそれぞれ異なっています。
図6 2023年1月から12月までの「少子化」のワードを含む月別入札公告件数推移
続いて、2023年の1月から12月までの「少子化」を含む入札公告件数の推移です。2023年の57件のうち、最多となった月は3月と5月で7件でした。2020年や2021年のように大きく変動せず、11月が最低となる推移は2022年に最も近い傾向となりました。
2023年の「少子化」のワードを含む案件の具体的な内容としては「少子化に関する県民意識調査業務委託」「令和5年度少子化対策県民運動推進事業フォーラム開催委託業務」「データ分析に基づく少子化の要因調査・提案業務」「少子化・女性活躍の経済学研究」に向けたアンケート調査」などがありました。
図7 2019年~2022年までの「少子化」のワードを含む都道府県別入札公内訳
図8 2023年の「少子化」のワードを含む都道府県別入札公内訳
図7は2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む入札公告の都道府県別内訳です。図8は2023年の「少子化」のワードを含む入札公告の都道府県別内訳です。
2019年から2022年までの合計としては、「三重県」が最多、次いで「東京都」となりました。また「茨城県」も30件と3番目に高い件数でした。この上位3県から180件のうち150件、約8割公告されています。
2023年も同様に、最多は「三重県」の23件、次いで「東京都」の8件が上位となりました。
2019年から2022年までは、「少子化」のワードを含む入札案件を公告した都道府県が11地域だったことに対し、2023年は16地域に増加しました。
図9 2019年から2022年の「少子化」のワードを含む業種別入札公告件数内訳
続いては2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む入札公告の業種カテゴリ別の内訳です。最多は「デザイン・印刷・広告」の77件、次いで「その他の業務委託」の45件、「調査・研究業務」の31件が上位となりました。
図10 2023年の「少子化」のワードを含む業種別入札公告件数内訳
図9は2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む入札公告の業種カテゴリ別の内訳です。最多は「デザイン・印刷・広告」の77件、次いで「その他の業務委託」の45件、「調査・研究業務」の31件が上位となりました。
図10についても同様に「調査・研究業務」、「デザイン・印刷・広告」、「その他の業務委託」が上位となっています。
続いては「少子化」のワードを含む落札件数・落札金額についてです。
図11 2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む落札件数推移
図12 2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む落札金額推移
図11は2019年から2022年までの「少子化」のワードを含む落札の件数推移、図12は落札金額の推移です。
落札件数は2019年が最多の69件で、以降は減少傾向となり、2023年に再び47件と前年から増加しました。一方、落札金額は2019年が最低金額のおよそ1億6,106万円、2023年に2番目に低いおよそ2億1,586万円と落札件数とは異なる金額推移となりました。最高落札金額は2022年のおよそ3億725万円でした。
図13 2020年1月から2022年12月までの「少子化」のワードを含む月別落札件数推移と同月比較
図14 2020年1月から2022年12月までの「少子化」のワードを含む月別落札金額推移と同月比較
図13は2020年から2022年までの月別落札件数と同月比較の図表です。図14は2020年から2022年までの月別落札金額の図表です。
2020年から2022年までは上半期に多く落札されていました。各年は2020年と2022年が最高落札金額で、2021年は7月が最高落札金額となっています。
図15 2023年1月から2023年12月までの「少子化」のワードを含む月別落札件数推移
図15は2023年の月別落札件数の推移です。前述の例年の推移とは異なり、10月、12月が最も多く、上半期に多く落札されていた印象が、2023年は各月万遍なく落札されていました。
図16 2023年1月から2023年9月までの「少子化」のワードを含む月別落札金額推移
図16は2023年の月別落札金額の推移です。最高落札金額は、最多落札件数だった10月のおよそ6,757万円でした。7月から12月にかけての落札金額の方が上半期よりも多く、2020年から2022年までの推移と異なる結果となりました。