入札王調査レポート  「デジタル庁」の入札公告件数・落札件数と落札金額の推移を調査・分析

「入札王」の保持する入札・落札情報から、今後のトレンドとなるキーワードの動向を調査・分析しています。
今回は「デジタル庁」の入落札案件の過去5年間の推移と、落札金額と件数を推移から分析しました。


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調査トピックス

  • 「デジタル庁」の発足から2024年3月までの入札公告件数は835件
  • 公告の具体的な内容としては、ガバメントソリューションサービスの提供に係る公告、政府共通プラットフォーム構築に係る公告、補助金申請システムの開発・運用に係る公告、マイナンバー関連公告が特に多く公告されている
  • 発足から2023年までの「デジタル庁」の合計落札金額はおよそ3,696億8,380万円だった
  • 2022年、2023年は各年3月・4月に多く落札されており、3月から5月まで月別落札金額が特に高額となっている


・「デジタル庁」の入落札情報の過去3年・月別件数推移、落札金額の動向


図1 2021年から2023年までの「デジタル庁」の入札公告件数推移

「デジタル庁」の入札公告は2021年から2023年までに785件でした。デジタル庁発足は2021年の9月1日のため2021年は58件となりましたが、翌年の2022年には356件と大幅に増加しました。最多となったのは2023年の371件で、増加傾向にあります。


図2 2020年1月から2022年12月までの「デジタル庁」を含む入札公告の月別推移

図2は2021年から2023年までの「デジタル庁」の入札公告件数を同月で比較したグラフです。2022年は一年を通して安定した件数の公告となっていますが、2023年は1月から3月までが他の月と比較して多く公告されています。


図3 2021年から2023年の「デジタル庁」のワードを含む業種別入札公告件数内訳

図3は2021年から2023年までの「デジタル庁」の入札公告の業種カテゴリ内訳です。グラフ全体の数値の合計は過去3年間の合計785件を越えますが、これは、1つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
最多となったのは「情報処理機器・ソフト及び業務」で505件。次いで「調査・研究業務」の200件、「その他の業務委託」の49件となりました。

「情報処理機器・ソフト及び業務」の入札公告は「ガバメントソリューションサービスに係る主たるクラウドサービスの調達」、「デジタル庁ガバメントソリューションサービスの機器保守等」などのガバメントソリューションサービスの提供に係る公告、「デジタルプラットフォーム構築事業(法人データ連携基盤の保守・運用事業)」「政府共通プラットフォームにおけるプロジェクト管理等支援業務の請負」「政府共通プラットフォームにおけるクラウドサービスの提供等に関する業務」などの、共通プラットフォーム構築のための公告、「調達ポータルアプリケーション保守業務の請負」など調達ポータルの更改・運用に係る公告、「補助金申請システムの開発支援業務」「補助金申請システムの運用及び保守等業務の請負」など、補助金申請システムの開発・運用に係る入札公告、「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等の実現に向けた公的個人認証システム開発等に関する業務」「エンタメ領域におけるマイナンバーカードの利用シーン拡大に係る実証実験」など、マイナンバー関連公告が特に多く公告されています。

「調査・研究業務」では、「デジタル庁におけるUI/UX重視等組織文化の浸透に向けた調査事業研究」、「デジタル庁のサービス及び施策に関する利用者アンケート業務」、「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」「教育データ連携・利活用の効果的な実施に向けた業務の標準的なスケジュールに関する調査研究」、「口座登録法及び口座管理法の円滑な導入支援のための調査研究」、「地方公共団体における防災業務の実態に関する調査研究」、「防災DX分野のサービスカタログ高度化のための調査研究」、「地方公共団体情報システムにおける新たな文字情報基盤の調査研究」などが多くありました。


図4 2021年から2023年までの「デジタル庁」のワードを含む落札件数推移


図5 2021年から2023年までの「デジタル庁」のワードを含む合計落札金額推移

続いては2021年から2023年までの「デジタル庁」の落札件数・金額の推移です。
図4の2021年から2023年の合計落札件数は1,316件でした。2023年は2022年からさらに増加した714件となりました。
図5の2021年から2023年の合計落札金額はおよそ3,696億8,380万円で、落札件数同様、最高金額は2023年のおよそ2,014億7,911万円でした。落札件数・金額共に増加の推移となっています。

図6 2021年から2023月までの「デジタル庁」の月別落札件数推移と同月比較


図7  2021年から2023月までの「デジタル庁」の月別落札件数推移と同月比較

図6は2021年から2023年までの「デジタル庁」の月別落札件数の推移、図7は2021年から2023年までの月別落札件数と各年同月比較したものです。
落札件数の同月比較としては、2022年、2023年ともに年度初めの4月に落札件数が最多となりました。また最も少ない月はどちらの年も2月で、推移としては年度末と年度初めに大きく件数が増加する傾向となっています。
落札金額も2022年、2023年はともに4月が最高金額となっており、すべての月で2022年の4月が最高金額、2番目に高い2023年4月となりました。一方、落札件数とは異なり、最低金額となった月は2022年では7月、2023年は11月となりました。どちらの年も3月から5月にかけて高額の落札金額となる傾向がありました。


・2024年の「デジタル庁」の入落札情報月別推移、落札金額の動向


図8 2024年1月から3月までの「デジタル庁」の月別入札公告件数推移

図8は2024年の1月から3月までの「デジタル庁」を含む入札公告件数の推移です。1月から3月までの合計は50件で、2022年、2023年と比較して入札公告件数は少なくなっています。


図9 2024年1月から3月までの「デジタル庁」の入札公告における業種カテゴリの内訳

続いて、2024年1月から3月までの「デジタル庁」の入札公告業種カテゴリ別の内訳です。グラフ全体の数値の合計は2023年の合計147件を越えますが、これは、1つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
最多件数は「情報処理機器・ソフト及び業務」で132件。次いで「調査・研究業務」の18件、「通信機器・システム及び業務」の14件となりました。

各業種別に公告内容を確認すると、「情報処理機器・ソフト及び業務」は「政府共通プラットフォームにおける運用管理等提供業務の請負」、「人事・給与関係業務情報システムの第4次システム更改に向けた調査・研究業務」、「ガバメントソリューションサービスへの移行に係るネットワーク環境構築等」、「口座情報登録・連携システムの整備に係るプロジェクト統括PMO支援業務」、「マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係る実証事業」、「デジタル田園都市国家構想実現に向けたWell-Being指標の活用のためのサイト改修・運用・保守業務」、などが多くありました。
これらに加え「調査・研究業務」は「新たなモビリティサービスの社会実装に向けたデータ連携に関する調査研究」、「タクシーGOアプリの試行導入によるタクシーチケット電子化の検証業務 一式」、「国の財務会計システムの将来像に関する調査」、「令和6年度 事業者向け行政手続きの各府省庁調査」などがありました。


図10 2024年1月から2024年3月までの「デジタル庁」の月別落札件数推移


図11 2024年1月から2024年3月までの「デジタル庁」の月別落札金額推移

図10、図11は2024年の1月から3月までの現時点での落札件数と落札金額の推移です。落札件数は合計で50件、落札金額は合計およそ2億9,129万円でした。
過去年のように2月は他の月と比較して件数は少なく、3月に増加するという推移でした。一方落札金額は、例年であれば落ち込む2月が3月よりも多く、過去年とは異なる推移となりました。


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