入札王調査レポート「物価高」のワードを含む入札公告件数の推移、落札件数と落札金額の推移を調査・分析

「入札王」の保持する入落札情報から、今後のトレンドとなるキーワードの動向を調査・分析しています。
今回は「物価高」についてのワードを含む入落札案件の過去5年間の推移と、落札金額と件数を推移から分析しました。

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1,「物価高」のワードを含む入落札情報の過去5年間・月別推移、落札金額の動向

図1, 過去5年間の「物価高」の入札件数推移

「物価高」のワードを含む入札公告の件数は、過去5年間で73件。2021年までは0件で、2022年から件数が大幅に増加するという推移でした。公告の内容としては物価高騰対策支援事業に関する案件が大半を占めています。

図2, 2022年1月から2023年3月までの「物価高」の月別入札件数推移

こちらは、2022年から2023年3月までの「物価高」のワードを含む入札公告に関する月別件数推移です。22年5月までは公告件数は0件ですが、6月に5件の公告があり、2022年度の下半期最初の10月に19件と増加し、その後11月にはさらに件数を伸ばして最高となる23件の公告がありました。

図3, 2022年1月から2023年3月の「物価高」の入札公告における業種カテゴリの内訳

続いては2022年1月から2023年3月までの業種カテゴリ別の内訳です。グラフ全体の数値の合計は73件を大幅に越えますが、これは、一つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
「物価高」を含む入札公告は、「その他の業務委託」が最多の78件でした。具体的な公告の内容としては、原油価格の物価高騰対策、医療機関や介護サービス事業所物価高騰対策、生活困窮者等を対象とした高騰対策事業などがありました。「その他の業務委託」は、他の業種カテゴリに付随する場合がほとんどであるため、件数が多くなっています。
「その他の業務委託」に次いで件数が多かった「情報処理・ソフト及び業務」、「デザイン・印刷・広告」は15件で、具体的な公告としては物価高騰対策チケット印刷製本業務、物価高騰対策商品券交付業務などがありました。

図4, 過去5年間の「物価高」の落札件数推移

図5, 過去5年間の「物価高」の落札金額推移

続いて、図4は2018年から2022年までの過去5年間の「物価高」を含むワードの落札件数の推移を表したグラフ、図5は2018年から2022年までの過去5年間の落札金額を表したグラフです。
件数としては2022年にのみ94件落札されていました。また、2022年の94件の落札のうち、落札金額の合計額はおよそ121億2,600万円でした。

図6, 2022年の「物価高」月別落札件数推移

2022年1月から12月までの落札件数を月別で見ていくと、6月に最初の落札が行われ、以降9月までは一桁台でしたが、2022年10月から大幅に増加、12月まで連続して10件以上の落札が行われました。

図7, 2022年の「物価高」月別落札金額推移

落札金額を見てみると、2022年6月の3件で、およそ1億6,494万円が落札されており、7月には落札件数8件でおよそ16億6,413万円と大幅な増額となりました。その後8月、9月と件数とともに金額も減少しており、10月に入って件数の増加と併せ、前月9月からおよそ14億9,919万円と一年の中で最も増額していました。その翌月の11月にはさらにおよそ7億8,226万円増額し、年間で最高金額となるおよそ42億9,553万円となりました。一年間の「物価高」を含む落札金額の合計はおよそ121億2,600万円となりました。
ここまでで述べたとおり、2022年から「物価高」のワードを含む入札公告、また落札金額は大きく増加していることが分かりました。

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2,「物価高」のワードを含む助成金・補助金公告の動向

入札王では助成金・補助金情報も収集しています。現在、「物価高」に関する助成金・補助金がどれだけ公告されているのか、件数推移を振り返っていきたいと思います。

図8, 2022年1月から2023年3月までの「物価高」を含む「助成金・補助金」の公告件数推移

こちらは2022年1月から2023年3月までの「物価高」を含む「助成金・補助金」の公告件数推移を表したグラフです。最初に公告されたのが2022年5月で件数としては2件でした。翌月には18件と増加し、さらに7月には80件、8月には94件となりました。
2022年11月になると182件と初の3桁件数を突破。12月には最多となる195件となり、2023年1月まで3か月連続で100件を超える件数が公告されました。2023年3月までの合計件数は983件となりました。
このように、「物価高」のワードを含む助成金・補助金の公告も1年で大幅に増加していることが分かりました。

図9,「物価高」を含む「助成金・補助金」の発注機関の上位機関

2022年1月から2023年3月までの助成金・補助金公告の上位発注機関の件数です。「愛媛県」が最多となる10件となり、主な公告は原油価格・物価高騰対策などがありました。次いで「神奈川県庁」、「福岡県行橋市」、「千葉県船橋市」、「新潟県三条市」となりました。

このように中央省庁・自治体等では「物価高」に関する助成金・補助金が多く公告されています。調査元のデータベースになっている入札王では助成金・補助金情報も収集・検索可能です。

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