「入札不調・取止め」となった入札公告は一体どれくらいあるのか、その推移を2017年の下期から2022年上期にわたって各月で分析、また、その中でも特に相次ぐ「電力供給」についての入札不調の動向を分析しました。
1,過去5年の推移
日本全国の過去5年(2017 年下期~ 2022 年上期)の入札不調・取止め案件は下記のような推移となった。
注) 入札不調については、国、自治体で公表される表現が複数あるため、キーワードとして、“ 不調”、“ 取りやめ”、“ 取り止め”、“ 取止め”、“ 不落札”、“ 中止”、“ 不成立” で抽出。
2019 年~コロナ禍の2020 年は4千を超える月もあった。2021 年~2022 年は若干低下しているものの、3千件/月前後という結果であった。
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2,電力不調案件について
この入札不調のなかで、入札不調が相次いでいる電力供給を取り上げる。2016 年4月、電気事業法が改正され、電力の小売が全面自由化、さまざまな企業が電力の小売販売に参入できるようになった。消費者は、電力会社や料金メニューを自由に選択することができるようになり、電気料金が安くなるというメリットが生まれた。
しかし、昨今のウクライナ情勢による原油・LNG の高騰によるエネルギー需要のひっ迫、市場価格の高騰で電力の調達コストが膨らみ、収益が圧迫されるという問題が生まれてきている。電力会社も一定価格で長期契約を結ぶことに慎重になっている可能性がある。そのため、不調案件も前年末より増加し、2022 年2月は200 件を超える状況となっている。
エネルギー資源価格の高騰は、日本だけではなく世界全体においても深刻な問題となっ
ており、今後の動向を注視していく必要があるといえる。
注) 電力供給については、国、自治体で公表される表現が複数あるため、キーワードとして、“ 電力供給”、“ 使用する電気”、“ 電気の需給” で抽出。
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