内閣感染症危機管理庁とは?日本版CDCとは?新しく創設される省庁を解説
2019年12月初旬に新型コロナウイルス感染が報告されてからもうすぐ3年経とうとしていますが、いまだ収束の見通しが立っていません。(2022年7月現在)
政府は2022年6月17日に新型コロナウイルス感染症対策本部で新型コロナウイルスや新たな感染症の危機に備える対応方針を示し、内閣感染症危機管理庁を創設することを正式に決定しました。
岸田内閣の主要政策のひとつとして掲げられている“新型コロナウイルス対策”。
就任当初から政府を挙げて進めている内閣感染症危機管理庁とは一体どのような省庁なのでしょうか。
内閣感染症危機管理庁とは
岸田総理はその新型コロナウイルス感染症対策本部での議論後、次のように述べました。
引用:首相官邸HP/新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回)
新型コロナウイルス対策の行政組織は、内閣官房の「対策推進室」と厚生労働省の「対策推進本部」に分かれています。そのため迅速に対応できないのではないかと懸念されていました。
▼新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回)/岸田総理の発言より抜粋
そして、こうした枠組みを感染の初期段階から、より迅速かつ効果的に実行するため、司令塔機能を強化します。具体的には、内閣官房に、新たに内閣感染症危機管理庁を設置し、企画立案・総合調整の機能を強化・一元化します。
そのため、岸田総理は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など省庁をまたぐ調整をする内閣官房の推進室と、医療の提供体制や保健所支援などを担う厚労省の推進本部の機能を一元化。感染の初期段階から迅速に対策を担う組織として内閣感染症危機管理庁の設置を進めています。
そのほかにも、「感染症対策部(仮称)」を新設し、緊急時にはあらかじめリスト化した関係省庁の職員を招集して体制を強化し迅速に対応。1000人規模の体制を想定しているそうです。
日本版CDC(米疾病対策センター)
CDCとは、疾病予防センター(Center for Disease Control and Prevention)の略で、アメリカの厚生省管轄の保健衛生機関のこと。感染症対策などを行う総合研究所です。
▼新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回)/岸田総理の発言より抜粋
さらに、科学的知見の基盤となる専門家組織も一元化します。国立感染症研究所と国際医療研究センターを統合し、厚生労働省の下に、いわゆる日本版CDCを創設します。
現在は
・基礎研究などを行う「国立感染症研究所」
・臨床医療を行う「国立国際医療研究センター」
の2ヶ所で感染症の研究をしています。
今後さらに専門的な知見を政策に反映させるため、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターも一元化し、アメリカのCDCをモデルとする日本版CDCを創設するとしています。
医療ひっ迫を避けるために
▼新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回)/岸田総理の発言より抜粋
医療提供体制については、昨年11月の『全体像』で導入した、医療機関とあらかじめ協定を締結する仕組みなどについて、法的根拠を与えることで、更に強化します。地域の拠点病院に協定締結義務を課すなど、平時から必要な医療提供体制を確保し、有事に、これが確実に回ることを担保します。
このほか、広域での医療人材の派遣の仕組み、保健所や検査の体制、ワクチン・医療用物資の確保なども強化します。
平時から地域の関係者との意思疎通・情報共有を行うとともに、緊急の入院勧告措置については、都道府県の知事から保健所設置市・特別区の長に対して直接指示できる権限の創設を検討しているそうです。
このように内閣感染症危機管理庁の創設によって、国や自治体などが連携して迅速に対応し、人や医療を守れることを期待したいですね。
いかがでしたでしょうか。
前回の「こども家庭庁」に引き続き、これから創設される省庁「内閣感染症危機管理庁」についてお話いたしました。
▼前回の記事
「こども家庭庁」「こども基本法」成立、2023年新設される省庁を追跡
https://www.nyusatsu-king.com/blog/20220620/
今後、内閣感染症危機管理庁が発足すれば、入札王にも発注機関として追加される予定です。
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