WTO対象の入札とは?国際協定と基準についてわかりやすく解説
入札王には、お客様からのさまざまなお問い合わせがございます。
そのなかでも多い質問のひとつが「WTO対象について」です。
そこで今回は、WTO対象の入札案件について解説いたします。
WTO対象とは
WTO自体はご存知の方も多いかと思います。
World Trade Organizationの略で、日本語では「世界貿易機関」と称される機関です。
1995年1月1日に設立され、貿易に関する国際ルールを定めたり、貿易課題への取り組みをおこなっています。
そんなWTOが定めた協定のひとつに「政府調達に関する協定」(Agreement on Government Procurement:略称GPA)があります。
この協定によって、「政府機関等の調達において自国の業者と他国(WTO協定の締約国)の業者を差別しないこと」とされ、一定の条件下の調達は、日本国外の企業からも入札に参加できるようになりました。
つまり、WTO対象と表示される入札案件は「海外の企業も入札に参加できる案件」のことを指します。
では、一体どのような案件がWTO対象となるのでしょうか。
WTO対象となる案件の基準
WTO対象となる案件には基準額があります。
この金額を超える契約の場合、WTO対象の案件となります。
現在、基準額は上記の図の通りに定められており、適用期間は令和2年4月1日から令和4年3月31日となっています。
この金額は為替変動による各国の通貨価値を反映するため、2年に1度見直されています。
対象となる業種はこちらのページで確認することができます。
▶サービス(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page23_000836.html)
▶建設サービス(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000371854.pdf)
※この表の内、第51区分に掲げられるサービス全てが対象
また、対象となる機関は国の機関のほか、都道府県や指定都市、その他の機関となっています。
▶会計法の適用を受ける全ての機関(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page23_000834.html)
▶地方自治法の適用を受ける全ての都道府県及び指定都市(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page23_000835.html)
▶その他の機関(A、B群)
(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page24_000219.html)
今年のWTO対象の例
最後に、実際の案件例をご紹介します。
件名:(WTO対象)オンライン訓練用端末(千葉支部)一式
発注地域:千葉県
発注機関:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構/千葉支部
公告日:令和2年9月18日
入札日:令和2年11月9日
リンク:https://www.jeed.go.jp/location/shibu/chiba/om5ru8000000agva-att/q2k4vk000003a0rd.pdf(※リンク切れ)
公告文が英文でも記載されていたり、公示から入札日までの期間が長いことが特徴的ですね。
通常の競争入札の場合は、公告期間は10日以上と定められていますが、WTO案件は50日以上となっています。
いかがでしたでしょうか。
国外の企業もライバルとなりえるWTO対象の案件ですが、高額の契約となるため、落札できれば大きな実績となります。
入札王でも、ぜひチェックしてみてくださいね。